修復された福島県文化センターの視察 

~2013年2月13日  委員10名参加~

2011年3月11日、東日本大震災は東北一帯を襲い、県内各地の文化施設は大きな痛手を受けました。私たちにとっては身近な施設として多分野にわたり利用されている県文化センターの閉館は大きな痛手でした。昨年9月29日、ようやくオープンにこぎつけました。「福島の芸術ホールを創る会」の委員会では修復の様子をお聞きしたいと思い、修復された県文化センターに伺いました。資料「福島県文化センター再オープンまでの経緯」を参考にして、現場を見ながら、文化推進課の斎藤幸夫さんからお話を聞きました。

被害状況

大ホール

✿ 客席天井は、吊りボルトで吊られていなかった天井全体の約4割が落下。天井材の落下による衝撃で客席の椅子も大きく損傷。

✿ 舞台吊物の支持台を固定するボルト抜け多数、約30枚の手動吊物用のおもりが10mくらいの高さから綱本付近に落下。

✿ 間接照明器具は客席天井と共に落下。

✿ 空調設備は全館にわたって損傷。

✿ スプリンクラー設備は、客席天井裏の配管が破損し放水が発生。

感想

大ホールはすっかり修復が終わり、元の会場の姿に戻っていました。震災時の写真を見ると、激しい揺れで天井が落ち、椅子の上にかぶさっています。天井が落ちたのは天井パネルを下げる鉄骨の吊りボルトが長かったためで、修復には天井裏に鉄骨を張り巡らし、吊りボルトを短くしたとのことです。ホールそのものものの強度はAランク。その吊り天井の様子を一部垂直のはしごを上って、見学することができました。縦・横に張り巡らされた鉄骨に驚き、ピンスポット操作するためには、その鉄骨をくぐって行くのだと聞いてまたビックリ。なんといっても大変だったと思われるのは、天井パネルの修復の様子です。客席全面に足場を作り、壊れた天井パネルを外したそうです。耐震のための天井工事は、昨年2月から8月まで約半年かかり、座席の椅子も壊れたものについては新しいものに取り換えたとのことです。

 

メインホール(正面玄関の空間)

✿ 光天井アクリルカバー、3階ギャラリー天井ボードの落下。シャンデリアパネルの落下。スプリンクラー配管の破損と放水が発生。

感想

広いと思っていたメインホールにドーンと厚い壁が出現。広いゆえ耐震強度を考えて、そうせざるを得なかったと思われます。ホールから事務室に行くにはグルッと迂回しなくてはならなくなり、そのために車椅子用のスロープは反対側に設置されていました。

 

3階展示室

二重天井がほぼ全面落下。特に壁際部分の落下が激しい。照明器具、ハロゲン化物消火設備、自動火災報知装置も破損、天井材の下敷きになった展示パネルも損傷。

感想

展示室の強度はCランクと聞きましたが、部屋の広さが破損のひどさにつながったと思われます。2階、3階の外壁も軽い素材で補強したと聞きました。床はそのままということでした。

 

その他(事務所及び外壁) 

 全館で100枚の大きなガラス窓が割れ、全館にわたって壁や床面に亀裂。特に棟の連絡部付近の被害が大きく、熱源ボイラー・煙突や空調ユニット及びダクトの損傷が発生。

 

 感想

改めて震災当時の写真を見ると、大きなガラス窓の破損状況はひどいものでした。しかしそんな状況の中、何といっても一番よかったことは、当日催し物が無かったことです。大ホールには翌日の準備で20数名のスタッフがいましたが、速やかに非難し、怪我人が一人も出ませんでした。

 

休館中の取り組み

被災者支援としてアウトリーチを!

2011年3月から2012年9月まで休館となってしまったが、大ホールの楽屋を事務所として使いながら、被害の少なかった小ホール、2階会議室兼展示室、1階会議室ほかを貸し出す“部分開館”を行った。また、被害者支援のため外に出て事業をするアウトリーチ活動に力を注ぐことが出来た。県内の文化施設とタイアップしながら、避難所や学校へ出かけ、児童劇、音楽、移動映画会などを実施した。(参加者計10,710名)。

また、文化庁事業に取り組み、震災を受けた子どもたちへ文化芸術活動を提供するため、学校や文化施設などへ音楽、演劇・伝統芸能など7分野の講師を派遣した。(22,800名)。

このことにより、各地の学校や出演していただいた講師とのネットワークができたことをこれからも大切にしていきたい、とのことでした

(担当:佐藤淳子・本田洋子)

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