第29回定期総会報告

公会堂に代わる新ホール建設を実現させましょう

5月20日(土)午後1時より、チェンバおおまち3階の福島市市民活動サポートセンター会議室で、福島の芸術ホールを創る会第29回定期総会が41人の出席で開催されました。総会終了後、引き続いて行われたシンポジウムには47人が参加しました。総会では、2016年度活動経過及び決算、2017年度活動方針・計画及び予算と役員が承認されました。

例年になく活発な質問・意見・要望が出された総会になりましたが、その背景には、平成30年4月1日以降の休館が決まった公会堂問題があります。本来なら公会堂に代わる新しいホールの計画が福島市から発表され、その次に休館が知らされるのが順序だと思います。しかし、具体的な建て替えの方針も計画もいまだに示されていない中での休館には、利用団体をはじめ多くの市民から心配する声が出され、一刻も早い建て替えを望む声も多数出されるようになりました。

こうした状況にあって、福島の芸術ホールを創る会の役割は一層大きくなってきています。会員の皆さんのご協力ご支援を切にお願いする次第です。

2017年度活動方針

  • 子ども達に安心して未来を託せる地域づくりまちづくりの核として、市街地の中心部に人々が出合い交流できる文化ゾーンをつくるよう努める
  • 県都にふさわしい公共ホール、特に演劇などの舞台芸術に適した大・中・小ホールの早期実現をめざす
  • 市内の文化ホールに運営協議会・審議会などの設置を要望する

上記の文化政策を福島市と福島県に提言する。そのために多くの市民や文化団体と共に、文化的創造的な活動を広範囲に展開する。

 

2017年度活動計画

  1. 市及び県に宛てて、目標を実現するために陳情・要望等を行う
    私たちの「福島芸術ホール構想」が、福島市総合計画の中で具体化されるよう各方面に働きかける
  2. 既存のホールをもっと使いやすくするために、施設設備及び運営面の改善要望等を提出する
  3. 芸術・文化団体との交流を深めて連携を図る
  4. 「福島芸術ホール構想」について市民の理解を深める
  5. 全国各地の「ホールをつくる会」と情報交換を密にする
  6. 各地の先進地ホールを視察する
  7. 講演会を開催する
  8. 会員数800名をめざす
  9. 会費の早期納入を促し財政安定を図る
  10. 機関紙を年4回発行する

【総会で出された質問・意見・要望と羽田代表の回答を紹介】

*発言者 福島西子ども劇場・川村啓子  福島演劇鑑賞会・伊藤元子  福島中央子ども劇場・鈴木幸子
福島演劇鑑賞会・佐藤君子   福島演劇鑑賞会・加藤純子  福島県写真連盟・鴫原明寿
福島市議会議員・萩原太郎   福島市議会議員・斉藤正臣
発言者の敬称は略させていただきました。内容についての文責は事務局です。

 

「未来シンポジウム」の継続を望みます

川村 前年度の活動で「未来シンポジウム」が開催され、若者たちの意見が聞けたのは大きな収穫でした。今年度の計画の具体化はこれから委員会で話し合われると思うのですが、ぜひ素晴らしい企画だった「未来シンポジウム」を、若者だけでなくもっと広げた形で続けてもらえると嬉しいですね。

羽田代表 昨年度はシンポジウムを2回行い、今日もこれから行うわけですが、若い人たちはこんな発想をするのかという驚きとともに非常に新鮮でした。私たちが普段考えていない意見がたくさん出されました。非常にいいシンポジウムが開けたと思います。それをさらに発展させた形で継続したいと考えています。福島の文化をもっと豊かにするために、若者と年配の私たちとが一緒になって真剣に意見をぶつけ合える場が必要だと思います。この「未来シンポジウム」だけではなく、清野和也さん(福島演劇鑑賞会専従、劇団120○EN主宰)たちが毎年行なっている「POP(ポップ)演劇祭」も、福島県内のアマチュア劇団や関係者からとても注目されています。県内各地に地元劇団は多数ありますが、「POP演劇祭」のようにいくつもの劇団が集まってピシッとやっているところはないんですよ。

 

活動方針を具体化する案について

伊藤 活動方針の中で、「芸術ホールを中心市街地活性化につながる市の中心部に建設してください」と言っていますが、何か具体的な案がありましたらお伺いしたいのですが。

羽田代表 その文言は「公会堂建て替え要望書」に記した要望項目のひとつで、もちろん方針に沿っています。どこに建てるかといったときに、駐車場の問題があるから広いスペースが取れる郊外につくろうという意見もあります。しかし、郊外だとどう

しても車での移動が中心になり、芝居が終ったらサッと帰るようになってしまいます。福島駅近くの中心部に芸術ホールをつくることによって、徒歩で街中を散策する利用者が増え、周辺の様々なお店も賑わうことになり、経済的な効果も期待できるようになります。芝居を観た後でお茶やお酒を飲みながら感想を話し合ったりするのも楽しいものです。私たちがめざしている芸術ホールには催し物がない日でも市民が自由に出入りでき、言わば交流広場の役割もあると考えています。

伊藤 それはよく分かりました。いろんな条件をクリアしないといけませんし、公会堂を建て替えるには大変なお金がかかります。それを具体化していく方針がありますか?

羽田代表 私たちは福島市に対して公会堂に代わる文化施設をつくってほしいと要望していますが、市の予算について芸術ホールを創る会がどうこう言うことはありません。ただし、要望書を市に提出するときに、全国各地の様々なホールを視察したり学習したりする中で、こんなホールが福島にあったらいいなと思える例として、昨年オープンしたばかりの白河市の白河文化交流館「コミネス」は総工費は90億円だと聞いています、というような感じで伝えています。市長が考えていると言われる大規模なコンベンションホールと比べればずっと安くできるんです。

伊藤 私は福島市で生まれて育ちましたが、福島駅周辺のデパートなどが撤退したりして寂しさを感じてきました。これからぜひ実現させたいのは、駅のすぐそばに芸術ホールをつくる(演劇を常時公演している小ホールも含めて)、デパートもつくる、商業施設もつくる、それで駅周辺の再開発をめざすということ。これらを2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見越して提案してもらうことはできないでしょうか?県都福島市の活性化につながると思うのですが。

羽田代表 おっしゃる通りですが、福島市の総合基本計画に対してこういうことですよという提案はしていません。文化の交流施設として公共のホールを市につくってもらおうとしているので、私たちは街づくりとしてホール建設に絞って活動しています。

 

福島市にも文化条例が必要です

鈴木 中央学習センターから届いたという福島市公会堂の休館についてのお知らせの中に、公会堂の今後のあり方については公共施設等総合管理計画云々と書いてあって、これを読ませてもらったときに確かめたいことがありました。10何年か前に国が文化芸術振興基本法を策定しました。私たち文化団体も意見を述べたり、国会へ請願に行ったりしました。福島県も文化振興条例をつくりましたが、私たちも福島市に芸術ホールを考えてもらうときにその根拠法となるものって何だろうと思わされたんですよ。それでこの中に基本方針に基づきと書いてありますので、福島市公共施設等総合管理計画の根拠法としてどういう条例が福島市にはあるのかなと、いろいろわからないことが出てきました。その辺いかがでしょうか。

文化芸術振興基本法

文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動を行う者(文化芸術活動を行う団体を含む)の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的として2001年(平成13年)に制定された。

羽田代表 残念ながら市には文化振興条例はありません。国には劇場などの活性化に関する劇場法があります。これは、各地域にあっても地方公共団体にあっても、音楽ホールや劇場について具体的な施策を講じなさいというものです。せっかく劇場法ができたので具体的な方針を出してくださいと、福島市には言ってきました。

地方自治法にも、地方公共団体は行政が理由のない限り住民が公の施設を利用するのを拒んではならない、住民が公の施設を利用するについて不公平な差別的な扱いをしてはいけないという基本的な方針があって、その上に劇場法があるので、ホール施設・設備や運営のあり方についてきめ細かく検討している地方自治体もあります。地方自治体の文化に対する役割の差は、きちんとやっているかいないかですごく違ってきています。

私は、福島駅を降りると文化の香りがするかと自問自答しながら、本当に市民を大事にして、市民が住みやすい環境をつくっていこうという姿勢で文化芸術振興基本法を生かしてほしいと思わずにはいられません。私たちの運動の根底には市民が文化的で安心して暮らせる街をつくるというのがあるわけで、それに対して行政が私たちと一緒に真剣に関わってくれるとありがたいですね。これからも、市の総合基本計画の中で芸術ホールが具体化されるよう強く要望していきます。

鈴木 子ども劇場は県内に3つあるので折に触れて県の会議で情報交換しているわけなんですが、いわき市と郡山市にはそれぞれ文化振興条例ができていますので福島市にできないはずがないように思えます。先ほどみんなで何をなすべきか提案してくださいという意見がありました。情報を共有しながら福島で何ができるかをみんなに提案していくのがとても大事だと思います。

劇場法

「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の略称。文化芸術振興基本法の基本理念に基づいて、劇場・音楽堂・文化ホールなどの機能を活性化し、音楽・舞踊・演劇・伝統芸能・演芸の水準の向上と振興を図るために制定された法律。劇場・音楽堂等の事業、関係団体及び国・地方公共団体の役割、基本施策などについて定めている。2012年(平成24年)施行。

 

 

ホール建設は同じこと

佐藤 公会堂を建て替えてほしいということと、福島の芸術ホールを創る会が長年要望している芸術ホールをつくってほしいということとは別のことでしょうか?私は公会堂に代わるホールができればそれで創る会の目的は果たしたことになると思うのですが、いかがなものでしょうか。

羽田代表 おっしゃる通りです。公会堂の建て替えが実現すれば私たちの目的は達成されるので、その他に芸術ホールがほしいと言っているわけではありません。もちろん、建てばどんなホールでもいいというわけではなく、中身がとても大切なのは言うまでもありません。私たちが真剣に取り組んでつくりあげた芸術ホール構想をさらに良いものにしていく努力をして、公会堂の建て替えを市に働きかけていきます。

 

一刻も早く新しいホールの実現を

加藤 今日の総会に出席して、これほどまでに活発な意見が出されたことをとても嬉しく思います。

福島演劇鑑賞会の会員の方がだいぶいらっしゃいますが、会員ではない方もいるので現状をお話しします。福島演劇鑑賞会は1960年創立、今年で57年となる会員制の演劇を観る会です。東京のプロの劇団をお呼びしていますが、上演会場は主に公会堂(1273席)を使用して年に6本の例会(観劇会)を組んでいます。作品によってテルサFTホール(473席)も使用しています。

これまでもかなり苦労して会場を選択してきたわけですが、公会堂が来年4月から休館になってしまうのでさらに難しい判断を迫られるようになります。現在の会員数は約1700名で、公会堂だと1公演2ステージですが、テルサだと4ステージになります。支出が倍になるということです。県文化センターの大ホール(1752席)を使えばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、大きすぎて俳優の台詞が聞き取りにくい席や舞台が見づらい席があり、せっかくの演劇の面白さが伝わりにくいんです。

本来だったら、福島の芸術ホールを創る会が30年近くも運動してきたわけですから、休館の前に新しいホール建設の目途が立つのが望ましかったんです。ですからできるだけ早く公会堂に代わるホールの建設に着手してもらいたいし、市に陳情するなどの必要な活動に私たちも参加していきたいと思っています。

 

来年30周年迎える芸術ホールを創る会

 福島県写真連盟・鴫原明寿

私は福島市文団連の副会長をしています。先日の総会で役員改正がありまして、私とともに福島市文団連副会長に福島演劇鑑賞会の三瓶章さんが就任され、私より10歳も若い副会長が誕生しました。福島市は県庁所在地でもあるので、市文団連は県芸文連とも連携を図って前進できるよう頑張ってきたつもりです。三瓶さんには県芸文連の賛助会員にもなってもらっています。

先ほど予算の提案のときに積立金が少ないという話がありました。大きな事業をしてきた中で使わざるを得なかったということもありますが、やはり来年30回目の総会を迎える記念すべき年なので何か手立てが必要ではないかと思います。

 

6月議会で公会堂休館問題を質問

 福島市議会議員・萩原太郎

公会堂に関してはいつも皆さんから要望をいただいて、その折に市に要望してまいりました。例えば洋式化してほしいというトイレの問題。やっと改修できるなというところで、耐震に不安があるので延び延びになり、今度は公会堂が使えなくなるということになってしまいました。今年3月になると総合管理計画ができるからということだったので、ある程度そこに具体的なものが出てくるかと思っていたんですが、考え方のみだったので非常にがっかりしています。今度は6月に議会がありますので、具体的にはどういう風に動くのかというところをお話させていただきたいと思います。

福島演劇鑑賞会はテルサだと4ステージやらなくちゃならないから費用もかかるということですので、市の方でもほかの施設を優先的に使っていただくとか、それについては少し補助していただくとか、料金減免していただくとか、そういう考えはないのかという部分も訴えたいと思っています。

 

芸術ホールの具体的な案を広めるべき

 福島市議会議員・斉藤正臣

私は中心市街地で飲食店を経営していまして、中心市街地の方から様々な声をいただいています。今後中心市街地も駅前通りを中心に変わっていきますので、そういう動向も耳に入ってきます。昨年から福島演劇鑑賞会の会員になりました。前回のもすごく面白かったということもあって、次の「十二人の怒れる男たち」も大変楽しみです。演劇の熱がこんなに高いとは、正直言ってわからなかったという部分もあります。子ども劇場にもこの前お邪魔させていただいて、子どもたちが生き生きと演

劇を観ながら楽しんでいる姿を拝見させていただいて、こういう熱をどうにか中心市街地も含めてみなさんが思い描く芸術ホールとして落とし込むような手伝いをしなければいけないと思っています。

現在、福島市体育館が新しく建設されていますが、観客席がないんですよ。あると思っていた人たちがたくさんいたのに、実際は観客席がありません。芸術ホールがつくられるようになったときには、そういう食い違いがないように、具体的ことをしっかり伝えることが大事になってきます。皆さんの要望を私も受け止めながら一緒に芸術ホールが実現できるまで歩んでまいります。

(笠原慶大、機関誌112号掲載)

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